「ネコも必死なの・・・」その1
寒い寒い真冬
朝方は氷点下が続くある日のこと
警備室にとあるテナントの男性がやってきた
(この人は社用車の運転手の人)
「昨日車洗ったばっかりなんだよねー・・・」
なにかため息交じりで、でもなんだかムッとしている様子
「はぁ・・・?」(なんのこと?)
このビルは地下にテナント用の駐車スペースがある
(毎日寒いけど、天気はいいし、たとえ雨が降ったとしても、ここはビルの中 車は濡れる心配はないし・・・)
「今日はどちらへ行かれるんですか?」
そうたずねると
「ちょっとこっち来てくれる?」
と手招きされた
私は後ろをついていった
向かう先は、その人の車を停めている駐車スペース
車に近づくに連れて
(あれ?昨日洗車したばかりなのに、ボンネットの上が汚れているなぁ・・・)
そして、その人が車の前に立ち、ボンネットの上を指さし、
「これ、よく見てよ」
「はぁ・・・あれ?・・・これって・・・」
「そうだよネコの足跡だよ・・・」
「でも、昨日洗車したんですよね?」
「そうだよ。昨日洗車して、ここに駐車したときはキレイだったんだよ!ところが、今朝来てみたらこうなってたんだよ!!」
「ということは・・・この駐車場にネコがいる!?」
「っていうことだろうな・・・」
「わかりました!!探してみます!」
ということでネコ捜索がはじまった・・・