「素早い杖さばき」その2
ジュースの自動販売機の前
はいつくばって、自動販売機の下を持っていた杖で一生懸命まさぐっているじーさんがいた
「カンカンザシュザシュカンカンカンザシュ・・・・」
もちろん他人の目など気にしちゃいない
そうなんです
販売機の下に落ちているかもしれないお金を一生懸命探していたんです!!
なーんだ!やっぱり浮浪者やん!
あれ?
あれあれ???
よく見ると、杖じゃない!!
どっかから拾ってきたのか?
それって、ただの木の枝やん!!
「カンカンザシュザシュカンカンカンザシュ・・・・」
もう無我夢中だ
「あのー、何してるんですか?」
「うるせー!オレが何しようとオレの勝手じゃねーか!」
と、予想通りのお返事(キャハッ!)
「ここがあなたの家なら何してもいいですけど、違うでしょ?」
「なんだい!ちょっとぐらいいいじゃねーか!!」
と返事はするが、目は自販機の下に釘付けだし、枝のまさぐり具合がさらにスピィーディに!!
「ここでお金見つけても、私が預かりますからね。ビル内の拾得物はビルで保管することになってますから。あと、拾得物届けにお名前、住所、連絡先を記入してもらいますからね。拾ったら、一緒に警備室にいきましょうね。」(ニコッ!)
それを聞いたじーさん
「なんだい!ごちゃごちゃとうるせーなー!」
と言って、あきらめて帰っていった
それでも、物覚えが悪いのか、実入りが少ない日なのか、年に何回かはじーさんの姿を見かける
その度に同じ状況とセリフのリピートなんですけどね・・・(ふぅ・・・)