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軽微な日常

警備員の日常から、思うこと、気になったことなど、いろいろ綴っていきたいと思います。よろしくお願いします!

「本当に財産くれるの?」その2

正月飾りもみかんもばらばらになってしまった


(うーん・・・

これは、器物破損の立派な犯罪だよね・・・

やっぱり警察呼ぶしかないか・・・)


[ここで、「警備員なら、婆ちゃん連れて警察に連れて行けばいいじゃない?」

と思われた方]

『警備業法 第8条 (警備業務の基本原則)

警備業者及び警備員は、警備業務を行うにあたっては、この法律により特別に権限を与えられているものではないことに留意するととも、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。』


となっています

まあ、簡単にいうと、警備員は一般人と何も変わらないっていう事なのです。ハイ・・・


ということで、お婆さんを無理にどかす事も出来ず、

「じゃあ、お母さん、警察呼ぶから、警察に話聞いてもらってね」

といって、私は無線で警察の要請をした

 

警察が来るまで私はお婆さんの話を聞いていた

どんないきさつで土地を取り上げられたのか?とか

周りに転がっている空き缶や生ゴミは、その辺から拾ってきたのと家から持ってきたのをぶちまけたとか

(掃除するのは不動産の人じゃなくて、我々警備員や清掃のおばちゃんなんだけど・・・

そんなことは、このお婆さんは分からない(悲))

 

そうしているうちに、警察がやってきた

警察も、相手がお婆さんだと知ると、無茶もできない

したがって、話を聞くだけになってしまった

お婆さんは

「私を刑務所でもどこでも入れろー!」

と騒いでいる


私は二人できた警察の一人に

「とりあえず、この正面玄関から移動してもらえば、掃除できるので、なんとか移動できませんか?」

と耳打ちした

その警察は

「そうですよねー・・・このままじゃねー・・・」

と言うと、ツカツカとお婆さんに歩み寄り

「さあ、お婆さん、ここじゃなんだから、ちょっと移動しようね」

と言って、お婆さんの両脇に手を入れて、ヒョイっと持ち上げた

(おぉー、さすが警察!警備員がそんな事したら、いくらお婆さんでもセクハラとか傷害とか言われかねないからね)


お婆さんは、警察に連れて行かれるかと思ったのか、

「さぁー連れてけー!刑務所に連れてけー」

と騒いでいる

しかし、3mくらいだけ移動させて、お婆さんを立たせた

お婆さんはキョトンとしている

わたしはすぐに、無線で清掃の要請をして、空き缶を集め始めた