「裸のオヤジにひざまくら」その1
あなたは、見知らぬ酔っ払いのお相手をしたことがあるだろうか?
わたしの印象に残っている酔っ払いがいる
季節は初夏
セミが土の中からもぞもぞと顔を出して、「おはようさん」と言いはじめる頃のおはなし
夜の08:00ころであったろうか
わたしが1Fのロビーで立硝しているときのことだった
(立硝【りっしょう】:よく警備員が手を後ろに組んで立って監視しているでしょ?あの様子)
このビルのロビーは、かなり広く、よく待ち合わせの場所として利用されているビルである
エレベーターから、よろよろとしながら60歳くらいの白髪頭で角刈り
一見、土建屋のオヤジかな?とも思えるような身なりのオヤジが、裸足にサンダル履きの姿で降りてきた
よろよろと歩く姿に、
「大丈夫ですか」
と声をかけた
「あぁ、大丈夫、大丈夫、ゴメンネ、おじさん、ちょっと酔っちゃった」
このビルはオフィスビルだが、最上階には、飲食店があり、お酒も提供している
そのために、今までにいろいろな問題もおきているのだが・・・
(わりと口調はしっかりしていたので、ベンチで座って少し休めば、そのうち帰るだろう)と思い、
「こちらに座ってお休みください」
とバカ丁寧に酔っ払いをベンチに案内した
ベンチに座ったことを確認して、わたしは交代のために、警備室へと戻った
それから10分ほどたったであろうか
1人の若い女性が、警備室へと駆け込んできた
「だれか早く来てください!!」
わたしと、もう一人の警備員T氏が彼女の呼ぶ方へと向かった
そこにはなんと・・・