「夜間対応(ヤンキー編)」その3
10秒ほどおいてまた
「ピンポーン」
(あれ?どうしたのかな?人が変わったか?)
「はい」
と出ると
「あのー・・・申し訳ありませんが、車出せませんか?」
というちょっと年配者の男性の声
「どちら様ですか?」
そう尋ねると
「私、呼ばれてきた代行の者です」
あらら・・・可哀想に・・・困ってる様子だ
こんな風に下手に出てこられると弱い
なんとかしてあげたくなっちゃう人間心理
「うーん・・・それじゃ、ちょっと待っててください」
そう言って、外から駐車場の入り口へと向かった
まずは、気づかれないようにコソッと静かに、静かに・・・
(様子を見てから対応を考えようね!)
駐車場の入り口には、ヤンキー兄ちゃん7人と、困った顔をしたおじさん一人
ヤンキー兄ちゃん達も我々との押し問答で酔いもさめて、なんだか疲れきっている感じだ
おれたち、このままここで朝までいなきゃないのかなーっていうあきらめ感が漂っている(ウシシ・・・)
本来だったら、警察呼んで立会いの下、シャッターを上げて車を出してやるのが正解なんでしょけど、まぁこの感じならそこまでする必要もないでしょ
そう判断して、ヤンキー集団の中に乗り込んだ
あくまで話をするのは代行のおじさんのみ
「話のやりとりは聞いていたと思いますけど、このビルはテナントの人でも夜間は入れないんですよ。でも、代行さんもこのままでは困るでしょうから、今回は丁寧な言葉遣いの代行さんの顔を立てて特別に開けます。一応、名刺いただけますか?」
と、ヤンキー達に聞こえるように話した
もちろん、ここでヤンキー達がなにか文句でも言ってこようなら、そのまま戻って警察を呼ぶつもりでいた
しかし、ヤンキー兄ちゃん達は一言も口を挟まなかった
『人にものを頼むときはどうすればいいのか?』
少しはヤンキー兄ちゃん達も理解できただろうか?
そうして無事、車を出庫させてこの日の残留車は0となった(めでたしめでたし)
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